小嶋 久祉
「研究分野」

保型形式の整数論


「研究内容」

私の研究テーマは、 モジュラ形式とジーゲルモジュラ形式の数論的な性質を解明することである。 初期の研究において、 モジュラ形式fから次数2のジーゲル,エルミット形式Fへの持ち上げを構成し、 Fのフーリエ係数をfのフーリエ係数で具体的に表示し、 持ち上げの単射性を証明し、 持ち上げの像を決定した([1],[2])。 また、Fに付随するゼータ関数を、fに付随するゼータ関数で表示した。 応用として、高次元ラマヌジャン予想の反例を多数構成した。

  最近、私は、一般代数体K上の半整数の重さのモジュラ形式hから、 K上の整数の重さのモジュラ形式Hへの志村対応を構成し、 Hのフーリエ係数をhのフーリエ係数で具体的に表示した。 更に、hのフーリエ係数の平方を、Hに付随するゼータ関数の中心値で表示し、 志村の定理を一般代数体上の半整数の重さのモジュラ形式の場合に拡張した([3])。

  また、私は、 高次次数のマース空間とジーゲルモジュラ形式に関する池田の持ち上げの像が一致するというコーネン予想を肯定的に解決した([4])。

[1] H.Kojima, On construction of Siegel modular forms of degree two, J. Math. Soc. Japan, 34(1982) 393-412.
[2] H.Kojima, An arithmetic of Hermitian modular forms of degree two, Invent. Math. 69(1982) 217-227.
[3] H.Kojima, On the Fourier coefficients of Hilbert-Maass wave forms of half integral weight over arbitrary algebraic number fields, J. Number theory 107(2004) 25-62.
[4] W. Kohnen and H.Kojima, A Maass space in higher genus, Compositio Math.,141(2005) 313-322.


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