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岸本 崇

2012.03.01 更新

  • 氏名岸本 崇(Takashi Kishimoto)
  • 職名准教授(Associate Professor)
  • 所属理工学研究科数理電子情報部門(Department of Mathematics)
  • 卒業研究

研究分野

  • 代数幾何学
  • キーワード代数幾何学 , 多項式環 , ログ極小モデルプログラム , サルキソフプログラム

現在の研究課題

  • ログ極小モデルプログラムの視点からの3次元アフィン代数多様体の構造解析

現在の研究テーマは,双有理幾何学的手法(極小モデル理論・森理論)を用いた高次元アフィン代数多様体の構造研究である。特に関心があるのは,3次元の場合であるが,多くのアフィン代数幾何学・多項式環に関する問題は,3次元以上では殆ど解明されていないと言ってよい。一方,3次元の射影多様体に対しては,極小モデル理論という代数多様体の大まかな特徴(双有理的な特徴)を把握する為には大変に強力な理論が存在する。大雑把に言うと,解析したい3次元アフィン代数多様体$X$を3次元射影多様体$V$に境界因子$D$が正規交叉するようにコンパクト化をしておき,dlt対$(V,D)$からスタートするログ極小モデルプログラム(LMMP)を実行する。ログ極小モデル理論の枠組みにより,有限回の双有理写像(因子収縮射,ログ・フリップ)を経由した後に,対(V,D)$は新しいdlt対$(V',D')$に双有理的に変化し,$X$の対数的小平次元に応じて$(V',D')$はログ森ファイバー空間又はログ極小モデルになる。この$(V',D')$の特殊な構造を利用し,補集合$X'=V'-D'$を解析することは可能であるので,最終的に問題となってくるのは$X$と$X'$の変化を明示的に記述することである。ここの問題が解決できれば,1970年代後半からの2次元アフィン代数多様体(アフィン曲面)の理論の著しい発展と同様な発展が3次元アフィン代数多様体にも期待できる。現地点では,我々のこの試みは完全な形では実現されてはいないが,コンパクト化に関するある種の幾何学的な条件を課した上では試みは成功している(Math. Zeit., 247 (2004), 149-181, International. J. Math., 17 (2006), 1-17)。現在でも仮定する条件は段階的に少しずつ改良できてきている。また,3次元アフィン代数幾何学で中心的な多様体となるのは,3次元アフィン空間$C3$であるが,それを上で述べた視点で考察する為には$C3$の森ファイバー空間へのコンパクト化を分類することが望ましい。第二ベッチ数が1の非特異なFano 3-foldの場合には,様々な研究者の貢献の後に1993年に古島幹雄氏によりコンパクト化は分類された。我々は第二ベッチ数が2の非特異なFano 3-foldの場合に,森重文氏・向井茂氏による非特異Fano 3-foldの分類を適用することにより,$C^3$のみではなくて位相的に可縮な3次元アフィン代数多様体のコンパクト化を分類することに成功した(Math. Zeit., 251 (2005), 783-820)。